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飼育ブログ

資料館つれづれNo.44『ムシムシ観察記ーケラの巻①』

2021年2月28日(日)

ムシムシ観察記

ケラの巻①

 

皆さんはケラ(俗称オケラ)という生き物を実際にご覧になったことがありますか?「ミミズだーって、オケラだーって、アメンボだーって♬~」と歌われているあのケラです。年配の方や自然豊かな地域で生活されている方々をのぞいて、多くの人があまり見たことがないと言う昆虫、ケラ。今回は、動物資料館で飼育にチャレンジしているケラについてのお話です。

 

ケラはコオロギの仲間で、成虫の体長は約3cm。日本全国に生息しています。英語でモグラコオロギという名前がついている通り、前足が発達して上手に土の中に穴を掘って暮らしています。姿は地味であまり目立ちませんが、よく観察してみると・・・土の中にもぐり、地上を走り、水上を泳ぎ、空も飛ぶ!!そんなスーパー昆虫であることはあまり知られていません。初夏には土の中で「ジー」と鳴くのでミミズが鳴いていると間違われることも。

 

そんなケラが動植物園内で捕獲され、昨年夏から飼育しています。

 

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ケラの幼虫

すでに前足が太いのがわかります

 

まず、飼育ケースに小粒の赤玉土を入れ、適度な水分を加えて表面の半分くらいの広さに湿らせて固く絞ったガーゼを置きました。「土の上に放置されたむしろや麻袋をめくるとケラがいる」ということを聞いたことがあるので、ガーゼはむしろの代わりです。ガーゼを置くことで土が乾きにくくなり、隠れ場所にもなってケラが安心すると考えました。

 

ガーゼの上にキャベツと市販の『コオロギのエサ』を置いてみました。1日もすると、ガーゼやキャベツにいくつも穴が開いています。ケラがガーゼやキャベツを食い破ったと考えられ、元気にご飯を食べているのがわかります。土を掘り返して見てみたい気持ちをぐっと抑えて、この穴で生存確認。

 

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元気な証拠の穴・穴・穴!

 

時々エサを新鮮なものに取り換えたり、ケラがもぐっている土に霧を吹いたり。しかし、寒い季節を迎え、キャベツに穴が開かなくなりました。動物資料館の空調設備工事のため、暖房なしの状態が続き、室温が下がったことが原因のようです。半ば冬ごもり状態。エサも食べず土の中でじっとしていたのではないでしょうか。この時も、心配な気持ちを押し殺し、中をのぞくのをガマン、ガマン。

 

2月に入り、試運転中ではありますが、暖房が入り、研究室の室温は20~22℃を保てるようになりました。さあ、生存確認のチャンスです。

 

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こんな感じで寒さに耐えた!

 

それぞれの飼育ケースに1匹ずつ入れたはず。そおっと赤玉土を掘り返してみると・・・いました!元気にもぞもぞ動いています。昨年から成虫に近い大きい個体と8月ごろかえったばかりの小さい個体それぞれ6匹ずつ、ほとんど皆元気な姿を見せてくれました。

 

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土の中から現れた元気なオケラ

 

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タッパーの中に集められびっくりした様子

 

黒ゴマのように小さかった個体は1cmほどに成長しており、その姿に喜びながらそっと元の土の中に戻しました。他の昆虫のように、個別に飼育したほうが事故もなく元気に育つと考えたからです。

 

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去年の8月はこんなに小さかった

 

さて、タッパーに集められた成虫組はお引越しです。今度は土ではなく、湿らせたミズゴケを飼育ケースに詰めて、今度は計6匹での共同生活。ケラの雄と雌の見分け方はとても難しいようで、いろいろな本を見てもよくわかりませんでした。でも、6匹いれば多分オスもメスもいるだろうと信じて繁殖に挑戦です。

 

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ちょっと広い新居でーす

 

1日たつとケラたちの掘った穴の一部が外からしっかり見えました。常に穴を掘っているのではなく、一度掘った穴(通路)を何度も行き来するのが見られます。モグラと同じですね。

 

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左上の通路に姿が見える

 

20℃の室温の中、エサも元気にモリモリ食べている様子。2世誕生を期待しながら、今日も飼育ケースをのぞき込みます。次は産卵や孵化した赤ちゃんの話題をお届けできればと思います。

 

☆★資料館・津田★☆

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