みなさんこんにちは!
飼育員のインド旅行記②です。 (①はこちら)
念願かなって訪れたシシオザルの生息地は
南インド・西ガーツ山脈の熱帯雨林です。
しかし森の中を車で走っていく途中、
思っていたのとは少し違う光景に出会いました。

これは茶のプランテーション。
茶の栽培には日照が重要なため
高い木は伐採されてほとんどありません。
プランテーションとは、熱帯や亜熱帯地域の 広大な土地を利用して商品作物(茶、コーヒー、綿花など)を 栽培する大規模農園のことです。 この地域では、植民地時代にイギリスの支配下でつくられましたが 現在はインドの人々によって運営されています。
こうしたプランテーションが森のあちこちに広がり、
野生動物が生息できる環境が減っています。
森は分断され、樹上で生活する動物たちが
自由に行き来することが難しくなっているのです。
少し離れたところから森をながめてみると
その違いがはっきりとわかります。

プランテーションが森を減らし、
動物たちの暮らしを変えたこと。
これまで文献で読み、動物園でのガイドでも
お客様にお伝えしてきた内容でした。
その現実が目の前に広がっていました。
森の分断は移動範囲が狭まるだけでなく、
別の群れから繁殖相手を見つけることが難しくなり、
遺伝的多様性の低下につながっているという研究もあります。
とはいえ、プランテーションは現地の人々にとって
大切な収入源であり、おそらくなくなることはありません。

プランテーションで働く人々の姿も目にしました
人と野生動物がともに生きていくためには
どんな方法があるのでしょうか。
森の中では、分断された森を動物が移動できるように
ロープでつくった橋を設置する取り組みや、
生息地の調査、地元の人々への啓発活動がおこなわれています。
宿泊したホテルではこんな掲示も見つけました。

シシオザルに出会うかもしれないこと、
そしてかれらが絶滅の危機にあること。
エサを与えたり、追いかけたり、
からかったり触ったりしないようにという
注意が呼びかけられていました。
一筋縄ではいかない課題ですが、
さまざまな立場から、さまざまな方法で
野生動物との共生への道が方法が探られています。
インドには、シシオザルの他にも
魅力的な野生動物がたくさん生息しています。
ここからは、私がインドで出会った
野生動物をすこしだけ紹介します!

頭の毛がかわいらしいカンムリラングール

くりっとした目のニルギリラングールの親子

茶のプランテーションで草を食んでいたガウル

道端に現れた絶滅危惧種・ニルギリタールの親子

紫と赤茶色の毛並みが美しいインドオオリス

巣材を運ぶホシバシペリカン
様々な動物が暮らす 美しいインドの自然を
将来に残していくために多くの人が努力を続けています。
このブログでは森での経験についてお話しましたが、 他にもインドの動物園や保全施設を訪れて 関係者の方々と交流したり、
インドの文化や食べ物に驚かされたり、 パワフルでエネルギッシュなインドを満喫しました。

カラフルで 朝から晩までにぎやかなお寺

南インドの料理はスパイシーでおいしい…けど量が多い
(この後たっぷりごはんが追加されます)
短い時間でしたが、とても刺激的で楽しい旅行でした!

シシオザルを飼育する日本の動物園でも
日々の飼育や展示を通して
今回現地で感じたインドの自然のすばらしさや課題を
伝えていけるよう取り組んでいきます!
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