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飼育管理センター 食痕~しょくこん~

2024年5月18日(土)




今回はバックヤードエリアにある、飼育管理センターで暮らすムササビの「食痕」のお話です。



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食痕という言葉を聞いたことがありますか?




食痕は、「動物が餌を食べた痕跡」という意味で「しょっこん」とも読みます。


 

ムササビは夜行性なので、ごはんを食べているところを直接見る機会がなかなかありません。


そのため、次の日にムササビがごはんを食べた痕跡「食痕」を見ることで、

何をどのように食べたのか、何が好きなのか、などを知ることができます。

 

 




では、さっそく食痕を見ていきましょう!



 

まず、普段食べているごはんから…


当園では、りんご、にんじん、バナナ、さつまいも、キャベツ、小松菜、

タネ類、草食動物用のペレットをあげています。




その中でも面白い食痕が残るのはこちら!


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同じ食べ物ですが、わかりますか?






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こちらも食べ残したものになりますが、これはわかりやすいと思います。

 




正解は小松菜でした!


緑色の葉の部分のみ器用に食べていますね。

 





また、同じような食痕が残るのがキャベツです。


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このように薄い葉の部分だけ食べて、硬い芯や葉脈だけ残っていることがあります。

 





 

次は秋の味覚、どんぐりです!


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硬い殻を囓り、中身だけ綺麗になくなっていました。





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このどんぐりは、外側の硬い殻に穴を開けるのを頑張った痕跡も残っていました。

 



 

 

ムササビは野生下では、木の葉や木の芽、果実などを食べるため、

ムササビのお部屋に何種類か樹葉も入れています。


 


これはマテバシイの葉っぱの食痕です。


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ムササビは葉っぱを半分に折って食べるので、左右対称の食痕が残ることが多いです。





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この葉っぱは半分に折って、少しだけ齧った痕跡がありました☺️






そして、樹皮も食べます!


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好きな木の樹皮は写真のように元の色がわからないくらい、綺麗に齧られていることもあります。

 

 




また、冬の間は食べられる葉っぱが少ないので、この日は試しに枝だけ入れてみました。


これはエノキの枝で、矢印の部分が冬芽になります

冬芽は、春になると葉っぱが出てくるところです。


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白くなっているところが冬芽のあった部分です。冬芽だけ器用に囓られ、なくなっていました!


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ここまで様々な「食痕」を見ていただきましたが、どうだったでしょうか?

 




実は、野生のムササビを探すのにもこの食痕が目印になります。



先ほど紹介したマテバシイなどのどんぐりの木では、秋になるとどんぐりの食痕が

分かりやすいですが、それ以外の季節は葉や枝、樹皮を齧った食痕が目印になります。



また、サクラは冬から春にかけては芽を、暖かくなり花が咲きだすと

つぼみや花を食べ、花の時期が終わると葉を食べます。


このように季節とともに食べる部分が異なる植物もあり、

同じ植物でも様々な食痕を見ることができます。



他にも松ぼっくりやツバキのつぼみ、モミジ等、馴染みのある植物も食べます。


自然散策の際は、もしかしたら今回紹介した食痕に似た痕跡が落ちていたり、

囓った跡を見つけるかもしれませんよ!


また、ムササビ以外の生き物の「食痕」にも出会えるので、

身近な植物をじっくり観察してみるのも面白いですよ😊

 

 




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