動物園の駐車場や獣舎裏で、何やら作業が行われています。
育ち盛りの小さな木がたくさん抜かれていますね🌳 一体何に使われるのでしょうか? 運び入れた先は、ニホンザル舎! 今回のブログは、ニホンザルの『展示場』について🐒
当園のニホンザルエリアは、展示場内はもちろんのこと、 園路の雰囲気まで 当園のサルたちの先祖が生息していた 『球磨郡相良村』の生息環境を再現しています。
オタリア側の入り口から入って 手前が里山エリア、 もう少し進むと奥山エリア、2つのエリアに分けられています。 この展示場が完成した当初は、緑が生い茂った展示場の中で過ごす サルたちの姿を見ることが出来ていました。 しかし、好奇心旺盛なサルたち、、、
植えられた木や下草に興味津々!👀
食べたり、折ったり、引っこ抜いたりして あっという間に、緑から茶色い展示場になってしまいました。
野生のニホンザルたちは山の中で、 たくさんの木々に囲まれて生活をしています。 木に登るのはもちろんのこと、枝葉を折って遊んだり、 葉っぱや実っている果実を食べたり。
動物園にいるサルたちにもそのような環境で過ごしてもらいたい、 来園者の皆さまにも、より自然に近い姿を見てもらいたい!と思い 『サル山の緑化』を計画しました。
まずは展示場に植える木の準備からスタート!
先ほどの写真のように、植える木は園内や駐車場から調達してきました。
今回植えるものは、セキショウという水辺に生えている草と、 アラカシ、トベラ、イヌビワ、トウネズミモチなどの、まだ若くて小さな木🌳
根っこが冷えてしまわないように、 根っこを乾草から守るために麻袋で覆って保護しています。 抜いてきた木は全部で、なんと、約40本!!! 抜き方にもコツがあり、この作業だけでも一苦労でした😅
準備も整ったところで、いよいよ展示場での作業開始です! 作業中、ニホンザルたちは 全頭バックヤードに収容した状態で行いました🐒
『木を植える』と一言にいっても、ただ穴を掘って植えるだけでは すぐにダメになってしまう可能性もあります。 知識がないと、なかなかうまくはいきません🙅 、、、ということで、当園の植物エリアのスタッフに レクチャーをしてもらいながら植樹を行いました🌳 奥山エリアには、
名前の通り、奥深い山の環境を再現するため、 アラカシやトウネヅミモチなどの木を、 背丈の違う、たくさんの野草が生える里山には 第一弾として、セキショウを植えました!
着々と、展示場に緑が増えています😊 そして、すべての木を植え終えた展示場がこちら🌳
一見、『あれ、思ってたよりも木が少ないな』と 思ってしまいそうですが、 実はわざと葉っぱの部分を切っています。
木を抜いてくるときに根っこを断ち切ってしまうため、 根っこの吸収力が弱ってしまいます。 その分、栄養や水分などがしっかり根っこまでいくように 枝葉を剪定して、枯れるのを防ぎます。
これで、作業は完了!
待ちくたびれたサルたち、そろそろ展示場に 出てきてもらいましょう🐒
新しい枝に興味津々!と思いきや、意外とスルー(笑) たまに木に近づく個体もいましたが、少し匂いを嗅いだり、 触ったりするだけ、、、 このまま順調に、大きく育ってくれますように!
、、、と思っていた矢先、 最年少のやんちゃ盛り、アオイちゃんが ぽきぽき、、、 もぐもぐ、、、 と、しっかり遊んでいました(笑)
せっかく植えたのに、、、という飼育員の声が聞こえてきそうですが そんなことありません! こんなことは想定内で、むしろ枝で遊んでいる自然な姿が見れていい感じ👏 折られたら終わり、抜かれたら終わり、ではなく 何度も植えなおし、毎日水を撒いて、根気強く育てていきます。
最近では植樹の時に撒いていた『レンゲソウ』が、 ぽつぽつと芽を出してきました。
まだまだ『サル山の緑化』は始まったばかり! ここからどのように変わっていくのか、乞うご期待!! |