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資料館つれづれNo.30『オタマジャクシはカエルの子♬』

2020年4月29日(水)

オタマジャクシはカエルの子♬

 

2月の下旬、動物資料館のスタッフにたくさんのオタマジャクシが届きました。「採れた場所は内緒だけれど、ひょっとして珍しいカエルの子かもしれない・・・」というわけで、動物資料館でその成長を見守ることになりました。

 

カエルは両生類。寒い冬はエサも食べずに安全な場所で冬眠、じっと過ごし、春になって目を覚まして繁殖します。2月の下旬にオタマジャクシがたくさんいたということは、やはり今年の冬の気温の高さが原因でしょうか?例年より少し早いような気がします。

 

1

2月にはまだまだ小さいオタマジャクシ

 

動物資料館の研究室にやってきたオタマジャクシたちは食欲満点!魚用のペレット(粒のエサ)や赤虫を毎日モリモリ。当然のようにウンチもモリモリ。毎日のお掃除も結構大変です。最初ひとつの水槽に入れていたのが、少し大きくなって手狭になり、水槽は2つ、3つと増えていきました。

 

カエルの大きな特徴は変態すること。水中で暮らすオタマジャクシの時はえら呼吸ですが、やがて後ろ足が生え、次に前足が生えて、尾がだんだん短くなり上陸。立派なカエルへと変態します。その時には体の中に肺ができ、えらではなく肺呼吸をします。オタマジャクシの時のうきぶくろが肺に変化するのだそうです。

 

2

4月になると後ろ足が生えた!

 

研究室では、4月の半ばになると次々と後ろ足が生える個体が増え、やがて前足が生え、後ろ足を確認して10日前後でカエルになりました。

 

3

右側の個体は前足も生え体が少しほっそり

 

4

この体でぴょんぴょん跳ねます

 

カエルになってしまった後に体の仕組みに変化はありませんが、小さなカエルも体の古い皮を脱ぎ捨てながら成長し、約3年で大人のカエルになるそうです。

 

ところで、カエルの目にもまぶたがあるのをご存知ですか?カエルのまぶたは、人間とは反対に下のまぶたが動きます。陸に上がっているときは下に下がったままですが、水の中に潜ると下まぶたがサッと上に動いて目を覆います。じゃあ、何も見えなくなる?大丈夫!下まぶたは透明なので、ちょうど自動折りたたみ式のゴーグルが付いているようなものですね。

 

さて、今回めでたく変態したカエルは、いったい何ガエルなのでしょう?平地に見られる黒っぽいカエルの代表は、ツチガエルヌマガエル。ツチガエルは表面がごつごつしていて(イボがいっぱい)

腹部も黒っぽい、ヌマガエルはすべすべしていて腹部は白いという特徴があります。体の模様や色から判断するとどうやら『ヌマガエル』のようでした。ただ、カエルも似た種類が多く、もう少し時間が経つと「違ってた!」ということになるかもしれません。その時はまたご報告させてくださいね。

 

5

左側に座った個体 腹部が白いのが特徴

 

6

似ているツチガエルは腹部も黒っぽい

 

ヌマガエルは、国内では温暖な地方で見られる、人里近くでも数が多くなじみ深いカエルです。今は2cmにも満たないような小さな体も大きくなると5cmほどになるようです。珍しい品種ではありませんでしたが、次々とカエルに成長していく様子を見るのは興味深い春の光景でした。

 

☆★資料館・津田★☆

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