虫の声が聞こえる🎵
鳴く虫展2021
今年の夏は、コロナと大雨、猛暑のトリプルパンチ。それでも昨年展示した虫たちの子どもや新たに集めた虫たちを取り揃え、今年も『鳴く虫展』を動物資料館で開催しました(8月14日(土)~29日(日))。
大水槽の横の一角で展示
展示した虫は、マツムシ、スズムシ、クツワムシ(褐色型・緑色型)、エンマコオロギ、フタホシコオロギ、ウマオイ、カンタン、ヒガシキリギリス、ヤブキリ、ヒゲシロスズ、クマスズムシ、ケラの12種類。
上に上にとのぼるマツムシ
大きなクツワムシ
迫力満点!
小さなカンタン
見つけるのに一苦労
2018年から始まった『鳴く虫展』も今回で4回目。可憐な鳴き声で季節を知らせてくれる虫たちの本物の姿や鳴き声を味わっていただきたいと、毎年少しずつ内容を変えてお届けしています。
今年の目玉は「ケラ」。ケラの名前は知っているけれど、見たことも触ったこともないというお客さんが多数派でした。今回は、ケラの生態やケラにまつわる身近な言葉や言い回し(「オケラになる」など)等について紹介。
俳句の季語に出てくる「ミミズ鳴く」はケラの声!
湿った水苔の中にケラが5匹
縦に横にと掘った穴が見える!!
タイミングが合うと穴の中を通る姿が見える
「ケラを見てみたいと子どもが言っていますが見られますか?」というようなリクエストは大歓迎。展示しているものとは別に飼育している個体をお見せし、希望があればちょっと触っていただきました。
ケラは通常土の中で多くの時間を過ごしていますが、資料館では水苔を固く絞ったものの中で飼育しています。
水苔から掘り出すとせわしなく動き回るケラ。優しく握ると握った手の中でグイグイ指の間をかき分け外に出ようとします。初めてこわごわ握ったものの小さなケラの思わぬ力強さに「おおっ」と声が上がるお客さんもいて大笑いでした。
掘り出すと走り回るケラ
羽化直後のケラは真っ白!
『鳴く虫展』と謳いながら、お客さんが覗き込んだタイミングでよい声をお届けするのはなかなか難しいものです。昼間の明るい時間から鳴くキリギリスの「ギース・チョン」、スズムシの「リーンリーン」、エンマコオロギの「コロコロコロ」、フタホシコオロギの「ピリリピリリ」という声は比較的よくお届けできたようですが、ほかの虫の声は成り行き任せ。
盛んに鳴いている声を録音して虫たちに聞かせたりと工夫も凝らしてみましたが、効果はいま一つでした。鳴きやすいように暗くすると展示した虫をお客さんにお見せすることができません。ああ、悩ましい!
今年はコロナの感染拡大防止のためお客さんが密にならないようにという配慮から、『鳴く虫展』のお知らせは臨時門と動物資料館内に7月末に貼ったポスターのみでした。地味な虫たちではありますが、季節を告げてくれる虫たち。その命を来年につないでいきたいと考えています。
☆★資料館・津田★☆ |