「ハズバンダリートレーニング」という言葉を 聞いたことはありますか?
動物園では、動物の健康管理のために 人が診察をしたり、病気の治療を行うことがあります。 そのまま動物を捕獲したり治療をすることは 動物にとってはストレスを伴います。 そこで、そのストレスをを少しでも軽減するために 普段から、健康管理のためのトレーニングを行っています。 このトレーニングのことを ハズバンダリートレーニングといいます。
今回は、レッサーパンダのトレーニングの様子を紹介します!
クレートに入るトレーニング↓
これは、レッサーパンダを移動させる時に 無理に捕まえるのではなく、動物自身で クレートに入ってもらうためのトレーニングです。
誘導トレーニング↓
これは、飼育員が指示したところに 来てもらうトレーニングです。 この時に、普段見えにくいお腹側がけがしてないか 爪は伸びていないかなど、外観や動きも観察します。
冬にはレッサーパンダが繁殖期を迎えるため 2頭の同居の馴致を行いました。 その際には、2頭をそれぞれコントロールできるように 2頭同時にトレーニングを行いました。
体重測定↓
レッサーパンダは週に1度体重測定をしています。 ここに来て!という指示で体重計に乗ることができます。
獣医師と協力して 診療や治療のトレーニングをします。 触診↓
実際に、体を触ってけががないか 痩せていないか太りすぎていないかなどを診ていきます。
採血↓
ヒトの採血と同じように ゴムで圧迫して血流をとめて採血を行います。 トレーニングでは、注射針の先を丸くしたもので刺激を与えます。 採血を行う際には、血管の位置が分かりやすいように毛を刈ります。 そのため、当園の2頭のレッサーパンダは それぞれ、左後肢の一部の毛が刈ってあります↓
検温↓
おしりの穴から、体温計を入れて 検温をします。
換毛期には、ブラッシングもします↓
繁殖期にはシンファの発情の状態を確認するために 膣スメア検査を行っていました↓
そして、当園では、 2月と3月に交尾が確認されました! そのため、シンファのお腹の中の様子を確認するために エコーをあてるトレーニングも行っています↓
実際に、エコー検査もできています↓
このように、トレーニングによって動物に苦痛を与えず 健康観察、診察、治療をできるようにしています。 また、ヒトもケガなどのリスクをともなわずに 動物を管理することができます。 |