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アカカンガルーのクッキー 訃報のお知らせ。

2021年11月15日(月)


2021年11月9日の朝、
アカカンガルーのクッキーが死亡しました。


クッキー


死因は多臓器不全(急性膿胸により循環不全を起こしたことによるもの)でした。



10月11日
左頬の腫れが見られたため
餌をどれだけ食べられるかを見るために、他の個体と分けて別室にしていました。

顔の腫れ

翌日、餌を食べられていなかったため
麻酔下にて口腔内の確認を行いました。

左上の臼歯(食べ物を噛み砕いたり、すりつぶしたりする役割)
に木のささくれや細い乾草が数本刺さり化膿しているのを確認。

左上手前の臼歯にぐらつきがあり、抜歯後洗浄し処置を行いました。



その後
泡状のよだれと
口周りを気にする動作などが見られました。

よだれ

一時、少しずつ餌を食べるようになるも
思うように採食量が上がらず、飲水量も低下。



クッキーが何か食べられるものはないかと
通常あげない餌をあげてみたり
ペレットを砕いたり、ふやかしたりと
餌の形や硬さを変えてみたりしました。

餌1

餌2

餌3

餌4




もきゅもきゅと歯ぎしりも聞こえるように、、、。



痛みによって食べられない可能性を考え
20日から強めの鎮痛剤を投与。
飲水量の低下に伴い、補液を行いました。



少しずつ砕いたドングリや砕いたペレットを食べるようになりましたが、
25日再び餌が手付かずだったため
2度目の麻酔下による口腔内の確認を行いました。


左臼歯の手前と奥、2か所に穴が空いているのを確認。
そこから膿が出ていました。

膿の洗浄と一緒に
数日、餌をしっかり食べられていなかったため、
点滴と強制給餌も行いました。


翌日、カシの葉を数枚食べ、
水に口をつけているのを確認。
水を飲むクッキー

カシを食べるクッキー

活力はまだ低く、よだれ、歯ぎしりは見られましたが、


29日はよだれもなく、朝から餌を食べ始め、大きめのニンジンを食べていたり
水をしっかり飲んでいる姿も確認できました。


30日、うんちの量も少しですが増えてきて
うんち

以前は活力がなく、治療の際じっとしていましたが
この日は治療中動きがあり、餌も食べ始めるようになりました。

ヌマスギやカシなどの枝葉も食べてくれるようになったため
餌を通常のメニューに戻し、状態を観察していました。



しかし、
11月3日の朝、
水を飲んでおらず
鼻水、展示場の隅でじっとしている様子が見られ、
夕方に呼吸異音、心拍の上昇が確認されました。


脱水状態だったため補液し
肺水腫の可能性を疑い、利尿剤を投与しました。

菌を抑制するために、尾から血管内に直接抗生剤の投与も行いました。


少しでも自力で水分をとってくれれば、、、と水分の多い葉物野菜やポカリスエットを用意。




11月5日
用意した餌をほとんど完食し、ポカリスエットをよく飲んでいました!!

通常のエサ

              

ほとんど完食



日光浴1

日光浴2

日光浴3
↑(寝室と展示場の間で日光浴を行うクッキーの様子)



餌をこのまま食べてくれ、免疫が上がっていってくれることを願っていましたが、
咳も出るようになり、横になることが増え、胸水が確認されました。


定期的にレントゲン、採血、尿検査を行い、その結果を見ながら
治療を続けていましたが、



9日朝、
担当飼育員が寝室内でクッキーの死亡を確認しました。



死因は歯の生え変わりにより
抜けた歯の歯根部から膿が発生し
その膿が血液へ流れて右肺に増殖。右肺の膿瘍化によるものでした。

右の胸腔は、膿によって心臓へも癒着していたため
心臓の動きにも影響を及ぼし、送り出す血液の減少により内臓の活動も低下し
最終的には多臓器不全を起こしていました。


クッキーは幼い頃からカンガルー病に何度かなっており
そのたびに、治療を行っていました。
そのため、抗生剤も効きづらくなっていたようです。



カンガルー病についてのブログはこちらをご覧ください






クッキーは
2016年3月17日に父ロックと母ワサンボンの間に生まれ
現在5歳でした。

みんなで日向ぼっこ
(みんなと展示場にて日光浴をするクッキー)



他個体に比べると体が大きく、のんびりとした性格。
展示場内では大胆な姿でのびのびと日光浴をする姿を見せ、
ご来園者の皆様からも愛されていました。



クッキー1

クッキー3
(展示場にてのびのびと日光浴)




クッキー今までありがとう。
ご来園くださった皆様にもたくさん可愛がっていただきました。
ありがとうございました。


カシとクッキー1

カシとクッキー2

クッキー4

クッキー5

クッキー6


クッキーとアンコ

クッキー7
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