本日8月12日は世界ゾウの日です。
今から8年前の2012年8月に絶滅の危機に瀕したゾウたちの現状や 保護を呼びかけるために制定されました。
という事で今回はゾウのウンコはすごいんだゾウ!! というお話でみなさまに野生のゾウの役割というものをご紹介したいと思います。
先日、当園のアフリカゾウにジャンボスイカをプレゼントする様子をご報告しましたが、 今回はその続きです。
野生に暮らすゾウたちには『種子散布』というとても大切な役割があります。
種子散布とは、自ら移動する事が出来ない植物が風や動物を使って 種子(子孫)を遠くへ運んでもらうことです。
例えば種子の周りに美味しい果実を付ける事で動物に食べてもらう代わりに 種子を遠くへ運んでもらったり、みなさんも一度は遊んだ事があるでしょうひっつきむし! あれも種子にトゲトゲを付ける事で動物の身体にひっついて遠くへ運んでもらうんですね。
ゾウはその大きな身体を維持するためにたくさんの植物を食べなければなりません。 ゾウが食べている植物は約150種類以上だとも言われています。 ゾウたちは餌となる植物や水場を求めて1日に数十キロという距離を移動するのですが、 移動中たくさんの種類の植物を食べ、 ウンコと一緒に未消化の種子を散布しながら移動します。 そして母樹より遠くへと運ばれた種子はやがて芽を吹き 次の世代へと引き継がれていきます。 ゾウのウンコが植物の生育に必要な水分や栄養分を補って まるでウンコが植木鉢のような役割を担います。
野生のゾウはそうやって移動しながら森を切り開き、 自らのウンコで新しい生命を育んでいます。
今、野生に暮らすゾウは象牙を狙った密猟や 生息環境の消失により絶滅の危機に瀕しています。 この世からゾウが居なくなれば、 その種子散布により恩恵を受け生息する生態系の生物多様性を 維持することが出来なくなります。
ということで今回は本当にゾウのウンコから植物は芽吹くのか!?
という実験です!!
当園のアフリカゾウたちがジャンボスイカを食べた翌日のウンコを採集して 観察する事にしました。
はたして本当にスイカの芽は出るのでしょうか?
(注意!しばらくウンコの画像が続きますので苦手な方は少し飛ばして下さい。)
まずはモートに降りてゾウたちが泥浴びや砂浴びなどで 遊びながら落としたであろう土を採取。 (少しウンコも混ざって栄養満点♬)
じゃじゃーん!
ジャンボスイカなんと114kg!
7月18日
それぞれ半分ずつプレゼント!
こちらはマリー。
もちろんエリにも。
7月19日
そして翌日のウンコ!
はたしてスイカの種は入っているのでしょうか?
さっそく土を入れたプランターに置いて毎日水やり♪
7月22日
4日目。
7月26日
8日目。まだ出ない。。。
7月30日
12日目。出ない・・・やっぱり種子は入ってなかったのか?
そして7月31日
13日目
7月も今日で終わり。
あきらめかけたその時!
じゃーーーん!!
よーく見るとこれは確かにスイカの双葉??
13日目してようやく発芽しました!
うれしーーっ♪
そして
8月2日
8月6日
きのこ(笑)
8月10日
そして今日8月12日
少し虫に食べられながらもすくすくと成長しています。
ウンコを採集するのが少し早かったのか 種子は1個しか入ってなかったみたいです。
自然界でもこうやって種子散布が行われているんですね!!
このまま大事に育ててスタッフと動物たちみんなで 分け合って食べたいと思います。
このブログを観ていただいた皆様にもゾウたちが置かれている現状を 『世界ゾウの日』である今日1日でも考えてもらえたらうれしいです。
2020/08/12
|