せっかちなスズムシが鳴いたよ♬
前回に引き続き鳴く虫の話題です。
今年の2月18日に孵化したスズムシ(参照:資料館つれづれNo.26『せっかちなスズムシ』)が先日(5月23日)ついに鳴きました!休眠していた虫たちはやっと孵化が始まったばかりなのに(驚)
通常、スズムシは孵化後1週間~10日おきに脱皮を繰り返し、6~7回目の脱皮で成虫になります。つまり、幼虫の期間は約2か月。成虫としても約2か月の短い命です。
誕生日は2月18日です
白い小さい「人」のような形の一齢幼虫
せっかちなスズムシは2月生まれなので計算通りであれば4月中には成虫になる可能性が高いと考えていました。しかし、その成長は通常通りの季節にかえったスズムシと比較して少し遅かったように思います。無事最終脱皮後に立派な成虫になったのは、5月13日でした。孵化後3か月近くかかっています。
成長の遅い原因は何だろうと考えてみました。少ないながら次々にかえったスズムシのいずれも少し生育速度が遅いようで、下の写真の成虫第1号の傍にはまだまだ何回も脱皮しそうな虫が見えます。
成虫第1号はボクです
真ん中上が成虫第1号
傍にまだ小さな幼虫が見える
過ごす室温も22℃で十分のはず。では、日照時間か・・・?
そこで、いつも頼りにしている日本鳴く虫保存会の方に聞いてみたところ、やっぱり日照時間不足が影響しているのではないかとのこと。
また、成虫第1号の虫は成虫になった後なかなか鳴き始めませんでした。通常、成虫になって1週間もたてばたいてい鳴き始めるのに、成虫第1号は10日かかってやっと鳴き始めました。
スズムシに限らず、新米鳴く虫は鳴き始めから美しい声で鳴くわけではありません。鳴き始めから1日ほどたつとだんだん洗練された美しい声になっていきます。今では、暗い夜だけでなく、昼間もリーン、リーンと美声を響かせていますよ。
鳴き始めるのに時間がかかったのも日照時間の不足が原因でしょうか?
自然の力おそるべし!!
結果、なんだか時間がゆっくりと流れているようです。まだまだ小さい幼虫がいるので、ゆっくりと長い期間この良い声を届けてくれたら嬉しいなと思っています。
いろんなサイズのスズムシがいる!
でも、鳴き始めのへたな歌声もなかなかかわいらしく、捨てたものではありません。「がんばれ、がんばれ!!」と応援する気持ちがムクムク湧いてきます(笑)
☆★資料館・津田★☆
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