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飼育ブログ

動物だよりvol.467 獣医師もガンバっとります!コザブ編

2018年3月2日(金)

平成30年3月1日(木)&2日(金)

 

熊本地震発生から687日&688日。

 

「コザブ」、きいたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

 

正式には、「九州沖縄ブロック動物園水族館獣医師臨床研究会」で

その英語名が

Kyushu and Okinawa block Zoo and Aquarium Veterinary Group

この略称が【kozavg】、これをコザブと呼んでいます。

  

本会の目的は

動物園水族館動物の臨床分野に関する知識・情報の交換を行い

会員の診療技術の向上をめざすと共に、会員相互の親睦を深め

日本の動物園水族館の発展に寄与することです。

 

2002年からはじまり

毎年2回開催されるコザブの研修会では

毎回当園の獣医師も参加して、外部講師による講演を受講したり

症例報告を行っています。

 

 

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今回は、当園で行うということで藤本副園長の開催の挨拶ではじまり

 

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外部講師としてご来園いただいた

熊本県鳥獣保護センター杉田猛理事長と安田五月理事長のお2人から

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センターの概要、さらに業務内容についての内情も詳しく

説明していただきました。

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当園と鳥獣保護センターとは、動物を通して関わりがあり

鳥獣保護センターで保護したが野生復帰できなかった動物を

当園で展示することもあります。

 

近年では、ハヤブサ、クマタカ、フクロウなどの猛禽類も

鳥獣保護センターからやってきていました。

 

また、今回の講演では、保護される野生動物の種類の中で

違法捕獲による野生動物の負傷病死についてもふれられて

県内の現状についても訴えられました。

 

94羽ものメジロを違法飼養していた例

嘴と足を切断されて虐待を受けたドバトの例

とらばさみのわなにかかり足切断されたキツネの例

 

痛ましい現場の声が伝わってきます。

 

センターに収容された多種多様な保護動物すべてを

講演に来ていただいた2名のスタッフだけで対応されています。

 

そして、センターの年間運営費の予算には

治療費も医薬品代も入っていないのです。

 

どれだけ、きびしい現状かわかると思います。

 

県内の臨床獣医師数名が、センターへ協力援助してくださっていますが

すべてその先生方のご好意によるものです。

 

熊本県内にくらしている皆さんが

センターに協力できることはもちろんあります。

 

例えば、これからの時期は、鳥や動物の繁殖季節です。

センターで困られるのは、雛や幼獣を保護して連れてこられること。

これは、実は大変危険なことです。

 

雛や幼獣のそばでは、隠れながら親が見守っています。

親が体内でつくる種特異的なたべものが必要なこともあります。 

自然界でその種が生きていくのに必要な知識を

親から学ぶ機会を逸してしまいます。

親から引き離してしまうことで

死亡率がぐっと増えてしまうのです。

 

また、動物の親は、安全なところをみつけると

1頭ずつこどもを口にくわえて引越しします。

夜行性のものは夜間に親が連れに戻りますので

1頭でいるように見えても、手を出さないでください。

 

親にとっては、こどもがさらわれてしまうことになります。

ヒトのにおいがついてしまうと、警戒して近寄らなくなることもあります。

自分のこどもが他の動物にさらわれたら

自分が他の動物にさらわれたら

そう考えていただければわかりやすいかもしれません。

 

 今回、講演依頼を快諾いただきましたセンターのお二人に深謝いたします。

 

  

さて、後半は、今回参加した園館の獣医師たちから

 半年以内に対処した症例報告等を行っていきます。

 

京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリの鵜殿氏(↓)

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マリンワールド海の中道の近藤氏(↓)

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到津の森公園の外平氏(↓)


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大牟田市動物園の川瀬氏(↓)

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阿蘇カドリードミニオンの竹内氏

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当園からも症例報告を行い、質疑応答が行われて

闊達な意見交換が行われました。

 

野生動物の臨床に携わるものとしては、1例でも多くの症例を知り

今と未来の動物たちの今後に役立てるものにしたいと願っています。

 

このような会を開催することは、互いの知識や技術を共有できるだけでなく

いざというときに迅速に助け合える絆となる大変意義深いものです。

 

2016年4月に発生した熊本地震の際には、被災した当園のために

コザブのメンバーが心を痛めていち早く奔走してくださったことは

わたしたちの心に深く感謝の気持ちと共にあり

この恩を忘れることはないでしょう。

 

今後も、野生動物の臨床の現場に

少しでも還元することができればと願ってやみません。

 

 

熊本市動植物園獣医師一同

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