11月6日に開催したサポーターズデイ「なんで動植物園にいるのかな?~保護された動物たち~」 前回のブログでは、動植物園をテリトリーとしている「ネコ」についてお話ししました。 今回は、保護された動物とその動物が自然に与える影響についてお話します。 (前回のブログは こちら から見ることができます)
エキゾチックアニマル編 「カミツキガメ」 カミツキガメは1960年代からペットとして販売するために輸入され始めました。 仔ガメを安価で販売していたため普及しました。 しかし、平均寿命が50年と長いこと甲羅の長さだけで50cmにもなること、 そして、危険なことから持て余され野外へ捨てられることが増大しました。
水草や水生昆虫、甲殻類、魚類、両生類などさまざまなものを採食する雑食性のカメであるため淡水生物相に大きな影響を与えています。 元々の生息地(カナダ~エクアドル)と日本の気温に大きな差がないため国内のほとんどの地域で越冬、繁殖が可能であり、 実際に、熊本県を含め福島県~沖縄県で確認されており、千葉県と静岡県では定着(外来種が継続的に生存可能な子孫をつくっていること)しています。 加えて、人間へ危害を与えることも増えました。カミツキガメは自分が危害を与えられると感じた時に相手に噛みつきます。なので、カミツキガメを発見した時は、不用意に近づかず警察や行政に連絡してください。
カミツキガメは生態系や人間への悪影響が心配される動物として、2005年に特定外来生物にしていされました。これにより、輸入・移動・販売・飼育が禁止されました。 野外で個体を発見した場合に持ち帰ることも禁止されています。 特定外来生物指定以前から飼育している場合は、環境省へ許可申請を行う必要があります。 (一度飼育した動物は終生飼育をしてください。)
「アカミミガメ」 1950年代からお祭りの景品として販売するために輸入され始めました。 カミツキガメ同様、仔ガメ(通称ミドリガメ)を安価で販売しており、 ペットとして飼育しやすいと言われ広く普及しました。 しかし、平均寿命が40年と長いこと生態になると30cm程にもなること、 そして、成体では危険性も上昇し噛みつくようになり持て余され野外へ捨てられました。
アカミミガメは在来種であるニホンイシガメと生息地や餌を競合しています。 加えて、他のカメ類の卵を食べる習性があり、在来種に対し卵捕食による影響も考えられます。 また、レンコンやハスなどの農作物被害も報告されています。
アカミミガメは生態系や人間社会への被害報告が集積されたため、 2015年に緊急対策外来種に指定されました。 環境省は生態系や人間社会への悪影響のない(小さい)社会を実現するために、 アカミミガメ対策推進プロジェクトを立ち上げています。 (詳しくは環境省HPのアカミミガメのページをご覧ください。)
次回、最終編は「ヨウム」についてお話します。 |