2025年2月に宮崎市フェニックス自然動物園と埼玉県こども動物自然公園から アマミトゲネズミ(Tokudaia osimensis)が来園しました。 アマミトゲネズミは世界で奄美大島にしか生息していない動物です。その固有性や希少性から、国の天然記念物に指定されています。アマミトゲネズミは、生息地である森林の開発や、ノネコ等外来生物の影響により、その数が著しく減少したため、環境省レッドリスト2020で絶滅危惧IB類に区分され、種の保存法における国内希少野生動植物種に指定されています。 近縁種として、徳之島に生息するトクノシマトゲネズミと沖縄本島北部に生息するオキナワトゲネズミの2種類があり、これらも同様に絶滅のおそれがあります。 そのため、日本動物園水族館協会と環境省は、平成26年度に締結した「生物多様性保全の推進に関する基本協定書」に基づき、平成28年度より本種をはじめとしたトゲネズミ類の生息域外保全事業を開始しました。 野生下で生息数を減らした動物の保全には、その生息地の環境を整備するだけでなく、飼育下で増やしたり、生態の情報を収集したりすることが必要な場合もあります。このように本来の生息地から離れた場所で保全活動を行うことを「生息域外保全」と言います。
熊本市動植物園においても、既に飼育を行っている他の動物園や大学、日本動物園水族館協会、環境省と連携してアマミトゲネズミの保全に取り組んでまいります。
今回飼育を開始したアマミトゲネズミは飼育・繁殖を目的とした個体です。
現在、非展示施設で飼育しており、一般公開は行っておりませんのでご了承ください。 |