羊さん、ありがとう💛 あけましておめでとうございます。 年が明けたと思ったら、また新型コロナウイルスの感染が広がり始めましたが、まだ少し穏やかだった昨年12月25日に動物資料館でフェルトボール作りのイベントを実施しました。 熊本市動植物園では、毎年5月、本格的に暑くなる前に羊の毛刈りをします。その羊毛を用いてのフェルトボール作りです。一昨年は新型コロナウイルスの感染拡大のためにイベントが中止になり、2年ぶりのフェルトボール作りとなりました。 
おとなしく毛を刈られるミーナ(2019年) 
刈り取られた毛の重さは約4キロ
現代生活の中の身近なフェルトはアップリケだけではありません。フェルトペンのペン先やピアノの鍵盤の上のハンマークロス、習字の下敷きなど、いろいろなものに利用されています。 ところで、なぜ羊の毛はフェルト状になるのでしょうか? 哺乳動物の毛の表面はキューティクル(スケール)というウロコのようなものでおおわれています。それが熱や圧力の刺激により絡みあってフェルト化するのです。 また、水分を加えると繊維が膨らみ、表面のキューティクルが立ち上がります。その水分を酸性(pH<4)又はアルカリ性(pH7~10)に調整することにより、さらにキューティクルが広がりより絡みやすくなるのです。この時、水の温度を高くするほどにフェルト化は促進されるようです。 うっかり洗濯機で洗ってしまった大人用セーターが子ども用セーターのように縮んでフェルト状になるのはこのためだったのですね。 今回のフェルトボール作りでも、作り方は例年同様の方法(資料館つれづれNo.5、No.21)。洗濯された羊の毛をカーダーという道具でフワフワにした後、洗剤を少し加えた水(アルカリ性の水)に浸し、形を整えひたすら手のひらでやさしくクルクル回して(同じような圧力を加える)転がしていきました。 
一番上はカーディング前 カーディングで上の1個が下二つのフワフワに 
洗剤の水につけて手のひらでクルクル 最初柔らかくて頼りない感触の羊毛の塊は、フェルト化が進むにしたがって少しずつ固くなっていきます。当日、フェルトボール作りの参加者の皆さん(3家族12名)には、実際に羊毛がフェルト化していく様子を手のひらで実感していただけたのではないでしょうか? 
フェルトボールをアレンジしようと 集中して、皆さん無言に・・・ 
ヘアピンにつけてみました♪ 
マスコットもできました♬ お肉だけでなく衣料、そしてフェルトまで与えてくれる羊さんにお礼を言いたくなりますね。 羊さん、ありがとう! ☆★資料館・津田★☆ |