実はナイーブなウシガエル 動物資料館ではいろいろなカエルを飼育しています。ニホンアマガエル、ニホンアカガエル、トノサマガエル。これらのカエルに加え、最近(10月中旬)ゾウ舎の溝で捕獲されたウシガエルが仲間入りしました。 ウシガエルは体長18cmほどにもなる日本国内に住む最大のカエルです。どのくらい大きいかというと…同じケースに入れて他のカエルと比べてみるとこんな感じです。
小さくてかわいいアマガエル ケースの中は広々!
少し大きなアカガエル まだ十分余裕があります
堂々たる体格のトノサマガエル それでも動き回れる余裕があります
やっと入ったウシガエル う、うごけない!!
こちらはいつものお家です
ウシガエルは本来口に入るものは昆虫やザリガニ、小型の哺乳類、鳥類など何でも食べる貪欲な食欲を持っています。そんな食欲旺盛なウシガエルのはずなのに、捕獲されたウシガエルは動物資料館の研究室で飼育を始めると、食欲は「もりもり」から程遠くエサをなかなか食べてくれません。 捕獲されてしばらくはストレスや興奮のためか色も黒っぽく、頭を下げた低い姿勢でした。
興奮のためか体色が黒っぽい 飼育環境に慣れたら食べるかな?立派な体をしているからしばらく超少食でも大丈夫だろう。そんなことを考えながら飼育を続けて約3週間もたつと次第に体を持ち上げちょっと良い感じの姿勢をとるようになりました。それと同時に体色も落ち着き模様がくっきり。それでもまだ超少食状態。
ちょっと格好良くなった
すぐ手元にスジエビがいるのにスルー
後ろにいるスジエビ軍団も無視!? ところで、ウシガエルはアメリカ東部が原産の立派な外来種。しかも、外来生物法という法律で、自然環境または人間への被害が大きいとされる「特定外来生物」に指定されています。 非常によく増え、様々な小動物を食べるウシガエル。希少な在来種を食べてしまうため生態系に大きな影響を及ぼすことが懸念されているのです。特定外来生物は、飼育はもちろん生きたまま持ち運ぶことも禁止されています。だから、もし近くの池でウシガエルのオタマジャクシを見つけたとしても家に持ち帰ってはいけません。 では、なぜ動物資料館でウシガエルを飼育できるのでしょう? 特定外来生物法では、ウシガエルなどの特定外来生物を飼育したり移動することは原則として禁じられていますが、学術研究、展示、教育等の目的で行う場合は環境大臣の許可を得て飼育や移動が可能になります。 つまり、動物資料館では、環境大臣の許可を得てウシガエルを飼育しているのです。
飼育の許可証ってこんな感じ やがて捕獲から1か月半。今まで食べたのは、キビナゴ、スジエビ、ヌマエビをそれぞれ少しずつ。大きな体や知られている生態からは想像できないほどの繊細さを感じます。旺盛な食欲は自然の中でこそ発揮されるものなのでしょうか? もりもり何でも食べるようになって皆さまに展示できる日が来ればいいなと思います。 ☆★資料館・津田★☆ |