肥後五鶏舎(左)と野鶏舎(右)
また、大げさなことをと思われた方もいらっしゃると思いますが、おつきあいくださいね。
皆さんは、動物ふれあい広場「タッチ愛ランド」の一角に、肥後五鶏(ひごごけい)と赤色野鶏(せきしょくやけい)が観覧用の通路をはさみ並んで展示されているのをご存知でしょうか?
大人気のふれあい広場に隠れて、ひっそりとたたずんでいるようにも見えます。
肥後五鶏とは「天草大王」「熊本種」「地すり」「久連子鶏」「肥後ちゃぼ」の五種類の熊本の伝統的な地鶏の総称です。
五鶏は、それぞれ肉用、採卵用、闘鶏用、観賞用として、長い年月をかけて人の手によりつくられたものです。
「赤色野鶏」は東南アジア原産の鶏の原種といわれている野鶏の一種です。それが肥後五鶏にたどり着くまでの時間は1万年です。
ここは、この時間と人の営みに思いを馳せていただく空間でもあります。
二つの動物舎の間は約3.5mの距離があります。
これが1万年の時の距離でもあるのです。
家畜や家禽(かきん=ニワトリやアヒル等のこと)や愛玩動物は人が人のために、野生動物を飼いならしつくり出したものです。ですから、家畜は人が近くにいないと生きていけません。
生息環境の保全は必要となってきてますが、野生動物は人に頼らず生きてきました。
ここが両者の決定的な違いです。
この野生動物と家畜、家禽、愛玩動物との違いをお伝えし、動物とどのように関わるのかを皆さんと考えるのも動植物園の大切な役割です。
ご覧いただいて、ぜひ皆さんも1万年の旅人となって、人と動物たちとのかかわりを感じてみませんか?
※このコーナーは、肥後ちゃぼ保存会のご協力のもと運営されています。 |